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設計演習E 第5課題

出題:古谷誠章


第5課題 「SUPER UNIVERSAL KITCHEN」(2名共同課題)


「バリアフリー」と呼ばれていた各種障害者対応の空間デザインは、今日では「ユニバーサル・デザイン」と呼ばれるより広範な概念に置き換えられている。障害を持つ人を特殊な人ととらえるのではなく、人間だれしもが人それぞれの個性を持ち、嗜好的にも能力的にも他の人と異なっていると考えれば、多様な人々が使うものや空間のデザインも変わってこようというものだ。この課題ではまず実在する空間から、ユニバーサル・デザインに逆行、あるいは無頓着だという事例を収集する。(提出物1)


次に2名一組のグループを構成し、相手を個性の異なる他者として、一方に何でもない事柄が、他方に困難をきたすような日常の問題を探し出す。最終的にはそれらをとことんスタディした上で、二人が共通して使え、またその二人が同時に使うことを通してコミュニケーションが活性化されるような「SUPER UNIVERSAL KITCHEN」をデザインする。(提出物2)



# by enshude2015 | 2015-12-16 20:00 | E5

○○○○ Bulou, Florian / Dalda Bosch, Maria

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Maria/Bulou:片腕の人、背が高い人低い人など、様々な人がカタログからそれぞれの身体に合ったパーツを選びユニットを繋いでいく。それぞれのパーツに車輪がついており、順番だけでなく配列を変えることで円や線のような構成にもできる。
古谷:いろいろな障がいや特性を持った人が自由にアレンジすることで身体に合わせていくキット。しかし障がいの範囲を拡く設定し、それぞれに特化したデザインにしていることで、その障害を持っていない人には使いづらくなってしまっている可能性がある。一つ一つのユニットのデザインは細かく詰められていて、かつ、いかにも障がい者用のキッチンというようなデザインになっていないのが良い。
和久田:一つ一つののデザインの完成度が高い。この障がいにはこれを使ってください、というような限定をするのではなく、使用者が様々な組み合わせを選べるという考え方が良い。
藤井:それぞれのパーツが片足になっていて、単体では成立せず、他が無いと自立しないというのが象徴的。

# by enshude2015 | 2015-12-16 19:56 | E5

○○○ 渡邊 眞奈 / 吉村 環紀

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渡邊/吉村:ユニットバスとキッチンを合わせ、洗面台のような使い方ができるキッチンを考えた。メイクする時には化粧品で手が汚るので流しを使いたい、顔パックは冷蔵庫で冷やしておきたいなど、キッチンと洗面台はつながる部分がある。
古谷:ユニットバス的なワンルーム。兼用できるものは兼用し、二人の生活のなかでの差をゆるやかにつなぐ、高密化されたキッチンとして面白い。しかしキッチンと洗面台の複合具合が中途半端。単に水回りを集約したというのではなく、キッチンと洗面台を究極的に合体していくとどうなるか、もっと詰めてほしい。
安田:限られた中でシステム化され、ローコストになっているシステム。普通に今あるキッチンとユニットバスがそのまま置いてあるだけのように見えてしまうのが残念。

# by enshude2015 | 2015-12-16 19:55 | E5

○○○ 関 優洋子 / 鈴木 洋祐

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関/鈴木:地形の把握能力が異なる2人が共有して使えるキッチン。一般的なキッチンというよりは長期滞在する共同の作業場として考えた。もしキッチンが洞窟のような形で必要なものを探さないといけないものであったら、そこでコミュニケーションが生まれる。また、新しい調味料や材料を買ってきたときのしまい方やしまう場所も、人によって異なる。いつもあるものをしまっている場所に行ってみたら全然違うものが入っていたり、洞窟のくぼみのサイズによってりんごでなくてメロンをしまってみたり、そのような偶発性の中にまたコミュニケーションが生まれるかもしれない。
古谷:面白いことをやりかかっている。この案は、人それぞれに合わせたものを作るのではなく、不揃いな地形のようなキッチンがあって、その人にとってちょうどいい場所が必ず見つかりますよ、というユニバーサルの本質について考えている提案。ここまで激しく凹凸がある必要があるのか。まるで海岸の岩場でキャンプしますというような感じになってしまう。より気が利いた落とし所にできたのでは無いか。
藤井:オーバーリアクションすぎる。アイデアをよりかたちに詰めきってほしい。

# by enshude2015 | 2015-12-16 19:54 | E5

○○○ 伊藤 瑛久 / 常岡 優吾

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伊藤/常岡:ユニバーサル化にあたって、個性を消していくことで誰にでも使えるものとすることを考えた。しかしそのような個性を剥奪したものを個人に渡すと、使い方によってむしろますます個性が表れてゆく。一般的なキッチンでは、シンクやコンロの場所が決まってから空いた場所に収納が配置されていくが、今回の提案では、収納のレイアウトを先に自由に行い、それに付随して収納されたものに見合った機能が配置していく。
古谷:フレームをベースとしている。オーディオのマニアが、ラックにアンプなどの設備をはめ込んでそれぞれ整理して使っているのに近い。キッチンは積み木ではないから、ダクトやなどの配管や電気のラインが入ってくる。それらをプラグインするようにキッチンを組み立てていこうというのは面白いアイデア。しかしデザインが物足りなく、実験装置のようなデザインに留まってしまっている。ラックそのものの支柱などを上手く使いながらその支柱自体がパイプになっているなど、メインフレームを削ることもできるはず。特にキャンチさせれば外周に縦のフレームはいらなかったはず。
安田:一見キッチンには見えないのが良い。素材や色など、家具的なものとしての完成度を上げて欲しい。
和久田:料理をしない人が使うとキッチンとしての要素が奥へ行き、全く異なる機能を持ったものになる、のような提案にもなる。

# by enshude2015 | 2015-12-16 19:53 | E5


2015年度早稲田大学建築学科3年生の選択授業『設計演習D/E』のアーカイブブログです


by enshude2015

早稲田大学設計演習D/E
教授 古谷誠章

講師 藤井由理
   安田綾香
   和久田幸佑
   菅原大輔
   寺田尚樹


TA  井上美奈(M2)
   野澤美咲(M2)
   北川萌奈美(M1)
   髙橋まり(M1)

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